
前の記事でご紹介した地養卵に限ったことだけではありませんが、「玉子は完全食品」と評されています。
これは、卵に含まれるレシチンやオレイン酸は、善玉コルステロールを増やし、悪玉コルステロールを低下させる働きがあることが分かった上に、玉子のプロテインスコアが100であることが分かったからです。。
タンパク質は20種類のアミノ酸から出来ており、9種類の必須アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)のうち、どれか一つでも不足すると、血液や筋肉や骨などの合成ができなくなるとされます。
人の体は、水分が体重の65%、タンパク質が16%、脂肪14%、無機質5%であるといわれます。そして、髪の毛=ケラチン、筋肉=ミオシン、血管・皮膚・骨=コラ-ゲン、脳=リポタンパク、血中タンパク=アルブチンなど、細胞=各種タンパク、という具合に体のすべてはタンパク質からできています。
体内のタンパク質は、毎日少しずつ入れ替わり、だいたい30日で全身の半分が新しくなるとされます。また、タンパク質は体内貯蓄されないので、その日消費された量はその日のうちに補給することが必要で、体重1kg当たり1.18gのたんぱく質が必要とされています。
プロテインスコアというのは、タンパク質の栄養価を示す指標で、最近よく聞く「質の良いたんぱく質」はこのスコアが高いものを指しています。健康のためにプロテインスコアの高い食品をとって、必須アミノ酸が不足しないようにすることが必要なわけです。
食品の中でプロテインスコアが100のものは、卵、しじみ、アミしかなく、日常的に摂取しやすいのは玉子であることはお分かりになるでしょう。
では、前述の1日に必要なたんぱく質の量を摂るには何をどれくらい摂ればよいのか?と疑問になりますね。
玉子1個の正味の重さはMで50g、Lで60gです。
玉子のプロテインスコアは100で、玉子だけでたんぱく質を10g摂取するために必要な量は79gとされています。つまり約1個半の玉子が必要です。
すると体重60kgの人が必要な70.8gのたんぱく質を、玉子だけから摂ろうとすると10個の玉子を食べることが必要となります。これは難しいですね。
実際は、食事で様々なものからたんぱく質は摂っているわけですから、そのトータルが問題なわけです。一般の方はプロテインスコアの高い食品をバランスよく摂るということを心がけると良いでしょうね。
アスリートの場合は、食事管理をしっかりとし、必要ならばサプリメントでプロテインを補うこともありでしょう。
参考に食品別のプロテインスコアとたんぱく質を10g摂るために必要な量の表と、体重別成人の1日の必要なたんぱく質の量を上げておきます。
食品別のプロテインスコアとたんぱく質を10g摂るために必要な量
食品名 | プロテインスコア | 必要量(g) |
卵 | 100 | 79 |
サンマ | 96 | 52 |
イワシ | 91 | 63 |
豚肉 | 90 | 83 |
アジ | 89 | 56 |
鶏肉 | 87 | 55 |
イカ | 86 | 68 |
そば | 85 | 357 |
ロースハム | 84 | 64 |
チーズ | 83 | 8 |
牛肉 | 80 | 65 |
牛乳 | 74 | 466 |
エビ | 73 | 86 |
米飯 | 73 | 652 |
カニ | 72 | 69 |
タコ | 72 | 95 |
すじこ | 66 | 61 |
サケ | 66 | 58 |
タラコ | 64 | 60 |
うどん | 56 | 687 |
大豆 | 56 | 52 |
納豆 | 55 | 110 |
そら豆 | 55 | 260 |
高野豆腐 | 52 | 36 |
豆腐 | 51 | 327 |
トウモロコシ | 51 | 516 |
ピーナッツ | 48 | 81 |
ジャガイモ | 48 | 1097 |
食パン | 44 | 284 |
味噌 | 44 | 162 |
マッシュルーム | 33 | 1175 |
シイタケ | 18 | 3700 |
コーンフレークス | 16 | 694 |
体重別成人の1日の必要なたんぱく質の量
体重 | たんぱく質(g) |
1 | 1.18 |
10 | 11.8 |
20 | 23.6 |
30 | 35.4 |
40 | 47.2 |
50 | 59 |
55 | 64.9 |
60 | 70.8 |
65 | 76.7 |
70 | 82.6 |
75 | 88.5 |
80 | 94.4 |
85 | 100.3 |
90 | 106.2 |
95 | 112.1 |
100 | 118 |
時間があるとき、一日の食事を振り返って計算してみてください。。